今回は、型枠大工について、熱く語っていきたいと思います。建築工事業に関わられている方は、型枠工事というものがどういう仕事をしているのか理解していただいていますが、実際のどういう仕事をしているのか細かい部分まで知られているケースは少ないです。そんな中でも、型枠工事という仕事の魅力を伝えていき、このブログを通じて、1人でも多くの方が型枠大工になってみたいと思っていただけると嬉しいなと思います。
型枠工事業とは?
型枠工事業ってなんですか?と聞かれるケースは非常に多いです。
以前にブログを記載したものがあるので、もう少し詳しく知りたい方は下記のタイトルをクリックしてください。
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「そもそも型枠工事業とは何だ?型枠工事の手順と流れを徹底解説!」
こちらでは簡単に概要を説明させていただきます。
型枠工事は、一般的に、イメージしにくい職種だと思います。なぜなら、建物の基礎(土台)部分を造った場合、コンクリートは土の中に埋まるため、私生活で目にすることはありません。
また、建物の躯体(かたち)部分を造った場合でも、コンクリートに仕上げ(タイルや吹付)が行われると、一般の方々が打ち上がったコンクリートを見ることはできません。
となると、、、
「型枠大工が造ったコンクリートを実際に目で見ることはできなのか!?」と思われる方もおられますが、実は、街中で出会っているはずです!
下記の写真は型枠大工が造った、「コンクリートの打放し」になります。
少し思い浮かべると街のどこかで見ているはずです。
例えば、、、
●高速道路の橋脚
●防波堤
●トンネル
●土留め擁壁
●ダム
●水路
●立体駐車場
などで見ているケースがあります。
他にもまだまだありますが、こうして見ると土木構造物の方が目にすることが多いかもしれません。
型枠大工と大工の違いは?
型枠大工と大工の違いというのを説明するのは、なかなか難しいですが、先日、高校生が集まる就職活動イベントで企業説明会を行いました。
求職者の方に「大工さんは、どんなイメージがありますか?」とお聞きすると、求職者の方が、「木の家を釘とハンマーで建てているイメージです」と お答えがありました。
やはり、大工といえば、、、
「木造大工」
が1番に浮かぶみたいです。
小さい頃から親が型枠工事業に携わってきたこともあり、私の中では、大工といえば型枠というイメージだったんですが、建築関係者が周りにいない方にとっては、そういうイメージ(木造大工)になるのかと新鮮な気持ちになりました。
ということで、この記事では建設業界の組織構造において、あまり馴染みのない型枠大工のポジションをお伝えしようと思います。
どういった組織構造のなかで仕事をしているのかだけ知ってもらいたいと思います。
建設業界には、仕事を注文する発注者(国、自治体、民間企業、個人)がいて、その仕事を受ける受注者(総合建設工事業者 = ゼネコン)がいます。
また、発注した建設物が設計図通りにできているかの監理を行う、設計事務所があり、建築主の代理人となって、施工会社である総合建設工事業者(ゼネコン)と打ち合わせを行います。
ここでいう総合建設工事業者(ゼネコン)は元請工事業者のことを表しており、役割としては、下請工事業者(専門工事業者)の施工が正しくできているかどうかの『管理』を行うことです。
この『管理』には「経営」「指導」「保守」「統制」の意味を持ちます。主に品質や工程、原価や安全、そして環境の管理を行います。一方、設計事務所の『監理』には、「監督」「監視」の意味があり、元請工事業者が設計図通りに造っているかの監視を行います。
このような仕組みの中で、型枠工事業者は一般的に元請工事業者(ゼネコン)から仕事を受けることが多いです。例外もあり、ときどき分離発注方式が採用されることもあります。 元請工事業者が専門工事業者(型枠工事業者など)を集め、建設物を施工していきます。
型枠大工が行う仕事内容とは?
現場で鉄筋コンクリート構造物を造るための流れとしては、鉄筋を組み、木製の型枠を建て込み、コンクリートを打つというのが基本です。しかし、最近では工場で鉄筋コンクリートの製作をして現場で組み立てをするPC(プレキャストコンクリート)板工法も多く見られます。
工場で製造されるPC板の型枠は鉄製になりますが、現場で使用される型枠は木製になります。なぜ現場では木製の型枠が使われるかというと、型枠大工が持ち運べて組み立てられる重さじゃないといけないからです。
ただ、戸建住宅のべた基礎は基礎自体の高さが短いため、鋼製の型枠を多く使用されます。(戸建てでも大きいな基礎は木製の型枠が使用されます)
上記のように規模の大きいRC造(鉄筋コンクリート構造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)の施工では型枠大工が不可欠な存在になりますが、そのような構造の場合、元請業者はどれだけの専門工事業者を集めて、工事を進めているか気になるところです。
ということで、最後に下記で専門工事業者を取り上げ、型枠工事業者がいかに重要なポジションにいるかを書きたいと思います。
上記各工事の説明は省きたいと思いますが、型枠大工は右の図の『とび・土工・コンクリート工事』の中に入ります。「型枠大工だから種類は大工工事じゃないの?」と思っていましたが、どうやらコンクリート構造物を造っていくのでコンクリート工事に入るみたいです。
ということは、RC造において型枠大工がどれだけ重役なポジションにあるかが少しずつ感じてもらえると思います。型枠大工が建物の形そのものを造り、他の業者にバトンタッチしていきます。躯体精度の良し悪しは型枠大工の腕で決まるといっても過言ではないです。
スケールの大きい建物を繊細な技術で造り上げる型枠大工は、とても魅力的なお仕事です。
まとめ
型枠大工の仕事やイメージはわかりにくいと思いますが、建物を建てる際にかなり重要な役割を担っています。
次世代の人々のための産業施設など想いを繋いでいく建物に携わっていけるのは、スケールの大きい話であり、夢のある話だと思っています。
表立って知られる事は少ないですが、縁の下の力持ちのような存在をして活躍していただける若者が少しでも多くなればと思っています。
長々と長文になりましたが、また型枠の事を知っていただくための情報を定期的に発信していきたいと思っております。